人を愛する為に生まれてきたの

さて、4年間通い続けた学校を無事卒業しました。ちょっと前に。学科別に別れるので4年間まったく同じ顔ぶれで過ごしてきたわけですが、一度だって喧嘩とか仲違いとかなかったなあ。非常に有意義に過ごせたように思えます。失うことはなく、得ることだけに専念できる素晴らしい場所でした。で、4年間ずっとグラフィック理論を教えてくれていた講師の方が、最後にこういった言葉を残して下さいました。

「あなた達の顔を見ていると、うっとりします。今を生きる人間の輝きというものは私の心をほっとさせるし、うっとりさせるし、優しくさせるし、あたたかくさせるのです。若さだとか、そういう簡単な、単純な理由でなく、”今を生きる”ひとたちは私にとってうっとりしてしかるべき存在なのです。だから私はあなたたちにうっとりする。当然のことです。

誰かにとって誰かは愛であり、誇りです。誰かにとってなにかは象徴であって主張です。私にとってあなた達は愛であり、誇りであり、象徴であり、主張なのです。そうしてあなた達のなかで私は愛であり誇りであり・・・ともすれば象徴であり、主張なのかもしれません。あなた達はそういう人達です。こうして共に4年と言う歳月を歩み、不思議なことに一度も衝突なく、しかしあなた達は穏やかに、急速に、確かすぎるほどの成長を私に見せてくれました。それが私の誇りです。一生をかけて愛すべき存在です。あなた達のなかで、私がそうであればいいなと思うのです、いや、きっと、すでにそうであると信じています。

私にとっての最後の砦は「絵を描くこと」ですが、私にとっての最後の愛は「あなた達を愛すること」です。あなた達とは、あなた達であり、あなた達でなく、人であり、モノであり、概念であり、夢のことを指します。4年間、絵に触れ続けることによって、絵を通し「見ること」「知ること」「考えること」を学びきったあなた方には、きっと全てが美しく映ります。可能性ではなく、もうすでにそれは持ちえた才能、努力なのです。あなた達は私の努力であり、才能であり、やはりそこから生まれる愛であり、誇りです。

いつか誰かに傷つけられた時は私の言葉を思い出してください。だって愛は、愛することは、使い古された靴下にだって存在するんですものね。」
「この言葉を聞く為に、4年間この学校に通い、学んできたといっても過言ではないかもしれない」と、先生が語り終えた時に思えたことが何よりの幸せでした。私は一生この言葉と先生を忘れないし、先生もきっと私を忘れないでしょう。そういう場所でした。無償の愛とはこういうことなのだなあ。しあわせな日々を約束してくれた毎日がどれだけかけがえのないものであったか、今更噛締める日々です。


最後になりましたが、卒業おめでとうと仰って下さった方も本当に有難うございました!これからも私共々この日記を宜しくお願いします!!たまに真面目なこと言うとちょっと恥ずかしいね!!!