GIANT KILLING

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

「俺がやりたいのはさ……そういうフットボールなんだよ」

こちらもまた今更ながらに。三ヶ月前ぐらいに一気に買って一気に読んだんですが、一度目にこれを読んだ時のカタルシスは凄まじかった。
GIANT KILLING」は”弱い者が強い者をやっつける”という意味なんですが、私のような社会の負け犬・所謂社畜からすると、この物語に出てくる人間全てがあまりにも魅力的で眩しくてしかし人間臭くて、そりゃ夢中になって読んじゃうよなと。
「選手」ではなく「監督」にスポットをあてた作品というのは多分そこまで珍しいものではなくて、でもこの作品の最大の魅力はやっぱり「監督」にある。監督という存在の尊さとか脆さとか、普通に生活してたら考えないであろう部分に触れさせてもらいました。

あとはなんといってもキャラクターが魅力的。
それぞれにしっかりと哲学があって「俺はこう思う、だからこうする」という行動理念がはっきりと見えるのがいい。主人公である達海”監督”が、選手の内面の部分をしっかり理解し、自分の力で切り開かせていこうとする姿も素晴らしい。達海は絶対に選手を見捨てないし、蔑ろにしない。
行動が突飛で変人と言われる達海にも勿論行動理念・哲学があって、それが理解出来るのは達海と、それを俯瞰で見せてもらっている読者だけというのもかなり良い。選手との距離にもだもださせられるから笑。
最新刊も楽しみです。