男女逆転「大奥」映画感想

一回大量に書いていた感想を、自動バックアップが効かない画面で書いていたらそういう時に限ってフリーズ、そういう時に限ってブラウザが落ちたりするものですよね……悲しくてやりきれない……。
そんなわけで以下からやっと大奥感想です。間の5日間、普通の本の一言感想でも入れておこうかな笑。

大奥雑感

  • やはり原作水野と二宮和也版水野はどうしても印象が違って、そこの違和感みたいなものは少しだけあったんですが(それは偏に二宮さんの身長によるもの/演技でカバーしきれない部分)、「アイドル映画」としてかなり楽しめました。とにかく目の保養。二宮さん凄くカッコよかった〜。
  • 「美しい」というより「色気がある」だったかな。「美しい」は玉木さんだった。蔵之介さんも悪い男感がにじみ出ていて非常によかった笑
  • 「絶世の美男」は大倉くん。大倉くんに対して全くと言っていいほど知識がなく、私が唯一知っている大倉くんは「食べログをよく見ている」というそれだけなんですが、まさかその大倉くんがあの鶴岡を……? が、大変大変大変大変美しかったです「拙者のほうがそなたよりずっとずっと美しいわ……」のシーンではあまりに美し不憫(造語)で目頭が熱く……? だってそもそも玉木さんは蔵之介さんの……? いや考えないようにしよう という映画館での私の反応でした 分かりづらい
  • 最初の三下に襲われる水野のシーンで、三下が三下っぽい表情すぎて思わず噴き出したんですよね。あそこまでメタ化されてちょっとコメディテイスト(に私はどうしても見えちゃう)な雰囲気を出されるとは……隣の人が「うわっキモッ」って呟いていたことにも笑いを誘われぐっと堪えた。原作だともっと陰鬱な感じだよね
  • 個人的にああいうサービスはアイドル映画に於けるサービスシーンだと思って素直に受け取ることにします。画面全体に肌色バーン!!は、例えばこれが松本さんであれば*1「キャッ今日も脱いでる><セルフプロデュース……><」と思って赤面するぐらいだったと思うんですが、二宮さんのそれは目を背けなければならない何かを感じましたね。なんか……凄い……見てはいけないものを見ている感。柔肌でふわふわなのがいけないのだろうか。
  • 私が一番好きなシーンは「抱いてやってもいいんだぜ?」ですね。
  • もう……二宮水野というよりあれは二宮和也的だった。なんだろう、水野成分より前に二宮成分が放出されているというか、フェロモン凄いなと……。二宮さんファンは「抱いて!!!!!!」って思ったのだろうか。私は「やばい……抱かれる!!会場中の女子が抱かれてしまう!!!」と発狂したくなるのを堪えて(略) 本当に素敵なシーンでした有難う御座いました。男は女を抱こうと思ってなんぼだな。いやあれはそういう無駄に直接的なシーンではまったくないけれど笑
  • そしてサダヲさんと二宮さんの掛け合いが素晴らしかった。短い間に築かれる信頼関係について考えさせられるものがあったなあ。それは水野の人柄によるものなのだけど、そこに説得力を持たせる演技をする二宮さんは流石だなと。勿論サダヲさんの「もう何もかも諦めきっている、ように見せて、しっかり人間的である」という非常に繊細な部分の演技にも唸らされた。サダヲさんにひっぱられて二宮さんの演技もより良いものになっているのかなあ。素人目線ですが!
  • あと賛否両論あるようですが、私は玉木さんと蔵之介さんの例のシーンはかなりよかったと思いますよ……!笑
  • なんかこう、最初は「……!?」って感じだったんですが、最終的に「いや美しい男性だし間違いがあってもしょうがないどころかそういえばこの世界では別に間違いでもない」と何故か納得させられてしまう部分もあり笑。
  • でもそれが一番問題なんだろうな。「大奥では当たり前」ではなくて、それが「圧倒的に異質のもの」として在るっていうのが水野を通して私たちが感じなければいけない部分であって、だからこそ一回納得させられたとしても、この世界が持つ陰鬱な恐怖をより一層感じる演出にして欲しかった。
  • なんか全体的にほんっとに「サービスですよ〜!」っていう撮り方になっちゃってる気がして、そこは気になったかなあ
  • あと圧倒的に男性陣を映しすぎ。女性が男性であると同時に、男性が女性なんだっていうことをもっともっと全面に押し出して欲しかった。一巻の物語を順序立てて流しているだけでは、「男女逆転大奥」の本当の良さは伝わりきらないし、まず何故映画でやる必要が?という疑問が持ち上がる。
  • 女性の凛とした強さとか、女性的な思想は持ちながらもそれを打ち壊していかねばならない様とかをもっと多く描いてもよかった。それこそ三十分長くてもいい。柴咲コウさんも凄く良かったけれど、他の女性陣も素晴らしい演者さんばかりだったのだから……そこは本当にもったいないなと。水野とお信のシーンが足りなかったよ〜。
  • 漫画原作ということで、あの終わり方は決して現実的ではないけれどやはり救いがあっていいと思う。締め方もなかなか。その後が大変気になる作りだなと笑 そこはまた原作者であるよしながさんの力量を感じちゃうんですけどね。
とりあえずこんな感じかな。小道具や大道具がもうちょっと……お金かけようよ天下の大奥だよ!?とは思ったんですが(なにせ着物がしょぼいし馬も何故か西洋の馬で凄く気になった)、まあそこに色々言い始めたらキリがないので笑。

で、此処からちょっとエンドロールについて……。
嵐さんの曲が起用されていることは当然知っていたし、まあSF映画(本人談)なのでああいう無難なさらっと系バラードの選択になってしまうのは仕方ないと思うんですけど、でも……でもでもでもでもでも!でも!百歩譲ってニゾン部分はもうちょっと綺麗にまとめようよ……!!
実は映画館で初聴きになるように頑張ってメディアカットしてたんですが、先に聴いて色々とこう、抗体つけておけばよかった……。あのキレのある終りからまさか、まさかあんな王道バラードが流れ始めるとは思いもよらず、会場の(一般層の方々の)「ざわ……」感が半端じゃなくてものすごい居づらい気持ちに^^
突出して「耳に残るなにか」がある曲ではないとか、まあそういう部分はいいんですよねもうね。ただユニゾン部分が凄く不安定というか、声量にバラつきがありすぎて逆に馴染まなすぎて、なんで大奥でこの曲?ってエンドロール中百回ぐらい思いました。あと制作側も、あの曲起用するなら文字淡々と流すだけじゃなくて、その後の城下町のシーンとか流しておくべきだった。明るさを取り入れるべきだったよ……
結構本気でショックを受けたのがエンドロールとか一体どういうことなんだと笑。あそこだけはどうにも納得いかなかったなあ。もう曲など付けずにサントラでもよかったじゃなイカ
と、まあ最後の最後で非常にガッカリした気分になっちゃったんですが、別に嵐が悪いとかそういうわけではまったくないんですよね……何度考えてもあのエンドロールは謎が謎を呼ぶ出来だった。これだから事務所ゴリ押しは……と思われても仕方ないレベル。

しかしそれを補って余りあるエンターテイメント性だったとは思うので、またもう一度観たいなと思ってます。次はきっとファンとしてのフィルターが分厚くなってて、曲を聴いてもなんてことなく流せちゃうであろう自分が見え見えで悲しい笑。
はーでもやるならもっともっと大仰にやってもよかったんじゃないかなー。次に男女逆転大奥があるなら嵐全員出演させてください! それなら小道具がしょぼくてもまったく気にならない!!!

*1:※末ズオタクのため、二宮さんの引き合いに出す人間はほぼ必ず松本さんです。それ以外の他意はございません><><><